プロジェクト座談会
「グロサリー事業部 食品チーム」
半期で3億円を売り上げた商品
米油開発プロジェクト
2021年の大ヒット米油開発ストーリーを開発担当、営業担当の視点から紐解きます。
市場に旋風を巻き起こしたとも言える大ヒットの裏側とは?
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辰巳 七菜
Nana Tatsumi
グロサリー事業部
食品チーム
ジャム・はちみつ・ホームメイド担当
2020年入社
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島田 徹
Toru Shimada
グロサリー事業部
食品チーム
食用油・無菌米飯・フルーツ缶開発担当
2015年入社
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小野 翔平
Shohei Ono
グロサリー事業部
食品チーム
北関東・関西営業担当
2018年入社
是が非でも昨年を上回る売上を 熱意が作り上げた米油の開発
米油開発プロジェクトはどのようなきっかけでスタートしたのですか?
島田 |
プロジェクトが立ち上がったのは2020年5月ですが、実はこの前年にオリーブオイルで大きな売上を作っていたんですね。これは年間の最重要商品に選ばれていたことが大きいのですが、これがとんでもなく大きな売上だったので、大規模な販売促進がなくなる今期は「何を売って数字を作るか」という、共通の課題を当社も加盟企業も抱えていました。前年実績を超えるということはどんな企業にとっても最低限クリアすべき命題ですし、これが成長の指標にもなるので、ここは新しい商品を導入するしかないという方向性は、ほぼ規定路線でしたね。
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小野 |
私は営業として、この件に携わっていたので加盟企業の担当者からも同じ悩みを聞いていました。そこで島田さんが米油の開発プロジェクトが発案されたんですよね。食用油の中でもこれからの成長性が見込める商品だと思っていたのでとても期待しました。
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島田 |
まず初回の開発提案では、国内メーカー生産という話で進めましたが、いざメーカーをあたってみると、PBの製造委託を受けるゆとりがないということで断られました。国内がダメなら海外生産でと考え輸入品を提案しましたが、すぐには承認されませんでした。
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小野 |
加盟企業の多くはやはり国産を好むので、輸入商品のコストメリットや安定的な生産量には魅力を感じてもらっていましたが、導入検討の段階では様々な意見が出ている状態でした。それらをまとめて開発の島田さんにフィードバックしていましたね。
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島田 |
営業努力もあってなんとか輸入である必要性を理解してもらい、開発に着手することができました。ここからが輸入の作業になりますが、まずは財務省の貿易統計などを参考にして日本以外で米が作られている国、米油を作っている国を探しました。すると私が以前駐在していたタイが浮かび上がりました。そういえば…になりますが、タイにいたときにスーパーマーケットに多くの米油が並んでいたことを思い出しました。当社のバンコク事務所と連携しながら米油を生産するメーカーと協議を重ね売買契約を結んで11月から生産が開始されました。発案から生産開始までが6カ月でしたので、かなりスピード感を持って取り組めた仕事だと思います。
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大手より先に先手を打つ 迅速なプロジェクト推進で大きな成果を
いざ開発が決まってから
営業はどのような業務をするのですか?
小野 |
会議の場を中心に導入活動を展開していきます。実際に米油を使った料理を試食してもらい、詳細な解説をすることで加盟企業の理解を図るというのが主な仕事です。
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辰巳 |
私も小野さんの営業に同行し、エビフライを揚げたりクッキーをつくったりしてサポートをしました。揚げ物はサクッと揚がりますし、クッキーも風味が豊かに焼き上がるので、これはきっとうまくいくと確信しました。一番印象的だったのは社内で試食チェックをしたときですね。よく料理をする社員の方を対象に食べていただきましたが、なにより揚げているときの油臭さが少ないという意見が圧倒的でした。揚げ物が嫌がられる要素の一つにニオイがあるので、そこがキャノーラ油と比べて改善される点は大きなポイントになるなと思いました。
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島田 |
導入企業を数多く集めてもらい、約10カ月目の21年3月に販売をスタートすることができました。結果は私たちの期待以上のものになりました。なんと目標の170%を達成し、大きな成果を上げることができました。単月では米油市場でNo.1の売上を記録する月もありました。ここまでうまくいくことはそう多くはありませんが、米油の今後の成長性も確認することができましたね。
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小野 |
会議や営業先で会う加盟企業からの「売れてるよ!」という喜びの言葉を聞くたびに、成功したことを実感できました。開発前に国産にこだわっていた声もほとんどなくなり、さらに導入企業は増え続けている状態です。思い描いた以上のストーリーが実現することって本当に気持ちがいいものですよね。
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島田 |
輸入米油という商品は日本にほとんどなかったタイミングで大手に先駆けてコストメリットを打ち出し大きな売上をつくれたというのはCGCにとってもよい成功事例になったと思っています。当社の米油のヒットを知ってか知らずかわかりませんが、各社がタイでさまざまな生産工場にアプローチしているということを耳にします。これはまさに米油市場を広げたといってもよいかもしれませんね。当社も他社の追随を許さないように商品のブラッシュアップや、さらなる新商品の開発を続けていきます。
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メリットを最大化するために 自由な立場で商品開発ができる
今後の皆さんの目標や展望を教えてください。
辰巳 |
私は今まで営業のサポート的な業務をしてきましたが、元々商品開発に興味があったので自ら希望して商品開発の仕事をすることになりました。担当は島田さんから引き継いだホットケーキミックスとジャムはちみつのカテゴリーです。普段から料理をしているので、日常生活での気づきを大切にしながら米油のような大ヒット商品が開発できるようになれればいいなと考えています。
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小野 |
営業が扱う商品は数百品目にのぼります。すべて同じように力を注ぐことはもちろんですが、今は会社として基礎調味料をしっかり売っていこうという動きがあるので、きちんと結果を出していきたいと考えています。醤油や味噌のような調味料は、NB商品が圧倒的に強い領域ですが、加盟企業とのコミュニケーションを密にとり、市場にまだない成長性のある商品を見つけていくことが重要だと思っています。
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島田 |
やはりCGCの優位性を存分に生かして、加盟企業に大きなメリットをもたらすことが目標です。当社はPBメインでやっていますが、国内メーカーにも相談できるし、ダメなら海外のメーカーにも相談して、NB商品に負けないだけの商品開発をするスキームやノウハウを持っているのが強みです。このような立ち位置を生かして、最終的には消費者に喜ばれるより良い商品を今後も世の中に出していきたいと考えています。
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